本文へスキップ

日記

diary
日記

変わらない人たち。

変わらない人たち。

ぼくの朝の日課は、海外のAIニュースを読むことでして。

起きて、コーヒーを淹れて、前の日に世界のどこかで発表されたものを、ざっと日本語にして溜めていく。そういうことを毎朝やっています。

ピラティスのスタジオをやっている人間の朝としては、どうなんだという感じですけど。もう癖になってしまって、読まないと落ち着かないんですよね。

この日記も、そのついでに生まれています。今日で14本目になりました。ネタは毎朝、その読み物の中から拾っていることが多いです。

ちなみに8月24日の朝に並んでいたのは、こんな見出しでした。

ある会社が、評価額300億ドル超で出資の交渉に入った。一年前の200億ドルから、五割増しだそうです。

別の記事では、新しい計算機が、1メガワットあたりの処理量で前の世代の最大30倍になったと。

メガワット。単位からして、うちの店とは縁のない世界です。

そのニュースを読み終えて、ぼくがその日にやることといえば、日記を書いて、予約表を眺めて、請求書を一枚整理するくらいなんですけど。

それでも毎朝読んでいるのは、たぶん、遠くの潮の音を聞いておきたいからだと思います。こちらに届くのは何年か先でも、鳴っていることは知っておきたい。

で、その朝に手が止まったのが、サム・アルトマンの話でした。

ChatGPTをつくった会社の経営者です。前の日のポッドキャストで、AIが人間の知的な仕事の大半を担う時期の見通しを、2028年末に後ろ倒ししたと。

タイムラインについては、我々は皆あまりに野心的だった。そう言ったそうです。

2023年にGPT-4が出たとき、その直後にもっと大きな破壊が起きると思っていた。実際にはそうならなかった、とも。

ぼくが感心したのは、遅れたことではなくて、遅れましたと自分から言ったことのほうでした。

あれだけの会社の、あれだけの立場で。ぼくだったら言えるかというと、たぶん言えないと思うんですよね。

で、ぼくが唸ったのは、その次でした。

遅れの原因として彼が挙げたのが、技術ではなかったんです。

経済の慣性、だそうです。

人は同じことをやり続ける。同じ会社から買い続ける。同じやり方で道具を使い続ける。だから技術ができても、社会のほうがついてこない。

それを読んで、しばらく考え込みました。

それ、うちの商売が立っている土台じゃないか、と思ったからです。

世界の最先端にいる人が「これのせいで未来が遅れる」と言っているものを、麻布十番の小さな店は「これのおかげで今月も回っている」と言っている。

同じことを言っているのに、ありがたがっている側と、困っている側がいる。

ちょうど前の日に、予約表を眺めていたところでした。

8月25日の一日で、9月の予約がまとめて入っていたんです。11人の方が、それぞれ別々に。しかも全員、自分の時刻で押さえていく。朝の方は朝の時刻、夜の方は夜の時刻。ある方は9月の枠を8つ、別の方は4つ。

誰も、新しいことをしていません。先月と同じことを、来月もやると決めただけです。

アルトマンの言う「同じことをやり続ける人々」が、うちの予約表を埋めてくれている訳です。

ただ、素直に喜んでばかりもいられなくて。

慣性というのは、こちらを選び続けてくれる力であると同時に、こちらを選ばない理由でもあるからです。いま他のスタジオに通っている方が、うちに来ない理由も、まったく同じものだと思います。

守ってくれているものと、邪魔をしているものが、同じ。

ここまで書いて、話が大きくなりすぎている気がしてきました。

うちの朝7時のレッスンは、MIUさんかYUZUKAさんが立ちます。7時に始めるということは、その前に店に入っているということです。6時台だと思います。

ぼくはそのころ、コーヒーを淹れて、メガワットの話を読んでいます。ひどい話ですね。

それで、YUZUKAさんのことを考えました。

今月うちに仲間入りしたばかりのインストラクターで、先週から予約の受付が始まりました。少しずつ、彼女の名前で予約が入りはじめています。

ここで気付いたんですけど、YUZUKAさんには、まだ慣性がありません。

うちが今月ありがたく乗っかっている「人は同じことをやり続ける」という力は、これまでの積み重ねに対して働くものです。何もしていない人のところには、働かない。

来月も同じ時刻を押さえてくださる方がいるのは、その前の回が良かったからで。その一回目を、彼女はいま一つずつ積んでいる最中な訳です。

慣性というのは、勝手に転がる力のことではなくて、誰かが最初に押した力の残りなんだと思います。

押した人がいる。それだけの話でした。

そして、ここからが自分への戒めなんですけど。

慣性は、ぼくが変わらないための言い訳にもなります。

「うちはこうだから」「これまでこうやってきたから」。そう言い出したときが、たぶんいちばん危ない。新しく入った人が別のやり方を持ってきたときに、いちばん最初に邪魔をするのは、社歴の長い側です。

アルトマンは経済の慣性を、外にあるものとして語っていました。でも、いちばん厄介な慣性は、たぶん自分の中にあります。

ちなみにぼくも、この日記で三日のうちに三回、持論を撤回したことがあります。楽しみは待っている間が本番だと書いて、翌日に撤回して、その夜には祭りが雨で流れました。

人のことは、まったく言えません。

2028年末が当たるかどうかは、ぼくには分かりません。また後ろ倒しになるかもしれない。

ただ、その日が来ても来なくても、朝6時台に店に入る人は要ると思っています。呼吸のしかたは、メガワットでは直せないので。

というところに落ち着けようとしたんですが、これも十分えらそうですね。

要するに、うちが続いているのは、毎朝ちゃんと店を開けて、一回ずつ最初の力を押している人がいるからです。それだけの話でした。

明日も、朝7時から。ぼくは、寝ています(笑

麻布十番・白金高輪でピラティスインストラクターの求人をお探しなら、MOMOの採用ページへ。給与も休みも、全部書いてあります。

TRIAL体験レッスン

この先もずっと、
好きな自分でいるために。
まずは体験レッスンから

体験レッスン

歳を重ねる時間そのものを、愉しみに変えていく。その始まりの一歩を、MOMOでご体感ください。

はじめての方は体験レッスンの流れもご確認ください。

ご質問やご相談は、公式LINEにてお問い合わせください。